支援・寄付 結果報告 2008年

アフリカのマリ共和国に生まれる水の量は約11億1623万リットルとなり目標の10億リットルを達成しました。

この支援により、アフリカ・マリ共和国の子どもたちと、コミュニティ、約20,000人以上へ清潔で安全な水が10年間にわたり供給されます。サイトでは、随時国内外で継続して実施している活動をご報告していきます。

※ 支援対象者数は、井戸が建設された地域の受益者数をさしており、ポンプの修復による受益者数は含んでいません。

「1L for 10L」プログラムによるマリでの支援プロジェクトの進捗について

2008年に実施された「1L for 10L」プログラムの支援を受けて、ユニセフ・マリ事務所は、現地での支援活動を行っています。

清潔で安全な水が持続的に供給され、村で暮らす人たちが、衛生的で健康な生活が送れることを目指し、村の人たちや自治体の水道衛生局、教育局、学校関係者、そして、建設作業を担う建設会社、ユニセフそれぞれが、個々の役割を果たしています。

今回の支援対象は、モプティ地方。ニジェール川の流域では地下水が豊富なものの、川から離れた場所にも農村が広がり、清潔で安全な水がない村々がまだ多くあります。沼の水や手掘りの浅井戸の水などの不衛生な水を使用しなければいけないため、モプティ地方では、これまでに寄生虫病であるメジナ虫病が多数発生しています。

マリ政府は、「メジナ虫病根絶国家プログラム」を立ち上げ、ユニセフとともに、メジナ虫病が発生している村に優先して、清潔で安全な水源の確保や不衛生な水を使用する際に水をろ過することなどの活動を行ってきました。この結果、モプティ地方では、メジナ虫病の発生が大幅に減ったものの、依然として、不衛生な水を使用しなければいけず、下痢や頭痛、体調不良を患う子どもたちがいる村が多数あります。

「1L for 10L」プログラムによる支援は、かつてメジナ虫病が発生し、現在も、清潔で安全な水源を確保できていない村と、井戸がない小学校、また、井戸はあるものの手押しポンプが故障して使用できない村を対象に、行われています。

2009年8月現在、以下のような支援活動が実施されています。

ページの先頭へ

掘削した穴を保護するためのケース・パイプを埋めている様子

©UNICEF/Mali

「カマラガ(Kamagara)村」

地下から湧き出した水に、集まる子どもたち。すぐにでも水が汲めるよう、バケツを持ってきている人たちが多く、水を心待ちにしていた様子が伝わってくる。

©UNICEF/Mali

13の村の15,507人が、清潔で安全な水を手に入れられるようになりました

対象となる村には、これまで手堀りの浅井戸しかなく、泥やごみが混ざった水を飲まざるを得ない状況でした。もうひとつの支援対象である学校は、村には井戸があるものの、学校に井戸がないことで、子どもたちの教育に影響を与えています。ユニセフは、現在、学校に給水設備とトイレをつくり、衛生習慣を学校で教えることで、子どもたちが健やかな学校生活を送れることを目指しており、この主旨に賛同した「1L for 10L」プログラムの支援の一部が、学校での井戸の建設に活用されることになりました。

今回の活動では、18の村と5つの学校に、手押しポンプ付の深井戸が建設されます。工事は、村から始められ、対象となっている18の村のうち、13の村で新しい井戸が完成しました。これらの村に暮らす人たち、計15,507人が、清潔で安全な水を手にし、安心して飲める水のある生活を送れるようになりました。

建設作業は4月から開始し、順調に進んだものの、新品であった掘削機のモーターのコンプレッサーが故障し、途中、工事を中断しなければいけない状況に見舞われました。修理のための部品は、フランスから入手しなければならず、5月から6月にかけて、建設作業が一時停止となりました。工事は再開されたものの、掘削機の調子は万全ではなく、例年より早く雨季が始まり、7月下旬より、再び工事は中断しています。

農村部には、舗装された道路はなく、雨季になると、地面がはげしくぬかるみます。このため、掘削機のような重いものを積んだ車は、農村部に出入りすることができません。雨季が始まりだしたころは、車が進む道なりに鉄板を引き、なんとか入れたものの、雨の量が増えるほどに、困難となり、作業の足場を十分に組めず、一時休止となっています。雨季が終わる10月初旬から、建設作業を再開し、5つの村と5つの小学校に、計10基の井戸を建設する予定です。これらの井戸が完成すれば、2913人の村人と716人の児童が、清潔で安全な水が使用できるようになります。

モプティ地方
(ジェンネ行政区 ジェンネ・コミューン)
村の名前 人口
Diabolo 1,223
Kamaraga 429
Niala 1,219
Syn 1,697
Yentela 484
   
   

モプティ地方
(バンジャガラ行政区 ウ・コミューン)
村の名前 人口
Tiarra 530
モプティ地方
(ジェンネ行政区 ポンドリ・コミューン)
村の名前 人口
Djerra 1,299
Gomitogo 2,989
Koba 748
Kobassa 1,408
Noina 1,604
Sirimou 1,334
Kaka 543

合計村の数人口
1315,507
ページの先頭へ

井戸の前には、順番待ちのバケツが並ぶ

©日本ユニセフ協会/2007

かつてはよく使用されていたUPMポンプ

©UNICEF/Mali

ソーラーパネルでくみ上げられた水。自然にも、女性にもやさしいしくみだ。

©UNICEF/Mali

ソーラーパネルの電力を使って、水はタンクまで運ばれ、高低差を利用して、蛇口から水が出るようになる。

©UNICEF/Mali

ソーラーパネルを備えた給水設備の建設

2007年の「1L for 10L」プログラムの支援を受けた村のひとつジリジェラ村。この村は、4,800人の村人が暮らすゴロンボ村の一角にあたります。雨季のあとの農繁期になると、ゴロンボ村の住民は、家畜を連れて放牧に出かけ、ジリジェラ村で暮らしており、一部の家庭は、ジリジェラ村に定住しています。

本村であるゴロンボ村には、手押しポンプが1基あるものの、人口に対して十分ではなく、井戸の前には、水くみの番を待つ列がありました。井戸があっても、井戸と家を往復する時間、順番を待つ時間を合わせると、清潔で安全な水をえるまでには、多くの時間がかかり、このような水を手に入れることをあきらめなければいけない事態にもなります。

村の人口や村人たちのこれまでの井戸の管理状況を踏まえて、ユニセフは、水をくみ上げる能力を上げ、より水にアクセスしやすくなることを計画。これまで使用していた井戸の穴に、新たな動力としてソーラーパネルを取り付け、太陽光の力で水を自動的にくみ上げ、貯水タンクにためて使う、簡易水道設備をつくることにしました。

簡易水道設備のイメージ図

ゴロンボ村では、水道管を広くめぐらせずに、貯水タンクの近くに3つの水場をつくり、同時に3箇所で給水ができるようにします。

工事は、段階的に進んでおり、手押しポンプが取り外され、ソーラーパネルが取り付けられました。これまで、ポンプを体重をかけてポンプを押してくみ上げていた水が、今では、自動で汲みあげられます。これだけでも、日に何度も水汲みに来る女性にとっては、大きな変化です。

7月以降、雨季によって工事は中断していますが、すでに貯水タンクは村に搬入されており、雨季が終わり次第、貯水タンクの取り付けと水場の建設が行われます。

ページの先頭へ

かつてはよく使用されていたUPMポンプ

©UNICEF/Mali

現在、多く流通しているインド・マークII

©日本ユニセフ協会/2009

故障して使用できない手押しポンプの修復

手押しポンプは、たくさんの人が日に何度も使用します。このため、ポンプの部品などが磨耗や破損し、壊れることがあります。また、20年や30年使用し、ポンプ全体が古くなり、使用できなくなっているものも多くあります。

今回の支援活動では、古いタイプのポンプで、修理用の部品がすでに流通していないポンプを対象に、ポンプを取り外し、マリ国内で多く流通をしているインド・マークIIというポンプに取り替える取り組みも行います。

マリの水道局との協議の結果、ポンプの取替え、修復作業の対象になる40の村が選ばれました。雨季が終わり次第、これらの村々にある故障しているポンプは取り外され、新たにインド・マークⅡのポンプが取り付けられます。

以下の40箇所と並行して、ユニセフの予算で50箇所のポンプの修復作業も行われます。近隣の村ごとに、工事を進めるため、計90箇所の工事の終了は、12月末を予定しています。

ポンプの取替え、修復作業の対象になった村々
No. 行政区 保健地区 村の名前 井戸の数 現在のポンプのタイプ 井戸の深さ(m)
1 BANKASS Ouenkoro Sergent Handa 1 Duba 39
2 Djiguan 1 UPM 40
3 Tori Dia 1 UPM 39
4   Maga 1 UPM 35
5 Diallassagou Ounouna 1 UPM 35
6   Dissa 1 UPM 35
7   Saalo 1 UPM 36
8   Nas Samogo 1 UPM 37
9   Néné 1 UPM 38
10 Baye Ouro-Saye 1 UPM 52
11 Oufou 1 UPM 49
12 Koulongo Habé Koulongo 1 India 40
13 Socoura Massakana 1 UPM 45
14 Ganida Siratiani 1 UPM 36
15 Yira Kandé 1 UPM 36
16 Soubala Dougara 1 UPM 32
17 Lessagou Magasségué 1 UPM 42
18 Panassadougou 2 UPM 39
19 Doundé Koboho 1 UPM 38
20 Bawéma 1 UPM 40
21 Dimbal Kousagou 2 UPM 35
22 Talkoro 1 UPM 37
23 Central Ogotema 1 UPM 42
24 Dinssagou 1 UPM 42
25 DOUENTZA Tiguila Saradina 1 UPM 60
26 Djoundjouléré I 1 UPM 60
27 Téna 1 UPM 69
28 Bongoussi 1 UPM 69
29 Wandarabéré 1 UPM 60
30 Isseye 1 UPM 60
31 Gassoye 1 UPM 69
32 Dallah Teby 1 UPM 60
33 Kolongo 1 UPM 36
34 Boni Gouï 1 UPM 69
35 Grimari 1 UPM 60
36 Loro habé 1 UPM 54
37 Tarabé Doumbaba 1 UPM 63
38 Tolaye 1 UPM 60
ページの先頭へ

修理に使用される工具

©日本ユニセフ協会/2008

持続的な使用と衛生的な環境を実現するために

新たに井戸がつくられた13の村と、ソーラパネルが設置されたゴロンボ村の計14の村では、水管理委員会が設置、強化されました。村人から選ばれた水管理委員会のメンバーは、給水設備を利用するルールを決めます。月ごとの使用料を定め、料金を集めて、保管する役割にもないます。これらのお金は、故障をしたときの部品の購入費や、井戸の管理に関わる費用に役立てられます。

また、村の近くに、ポンプの修理ができる人がいれば、迅速な対応ができることから、持続的に使用できることから、選ばれた村人に、修理用のトレーニングを行い、必要な工具や部品を提供しています。

今回の支援活動の一環で、12月に、10人を対象に、修理のためのトレーニングが実施される予定です。

ページの先頭へ

寄付金贈呈式

2008年11月13日(木)に 「1L for 10L」プログラム寄付金贈呈式を実施いたしました。

日時 2008年11月13日(木)9 : 30 ~ 11 : 00(受付開始 9 : 15)
会場 財団法人日本ユニセフ協会 ユニセフハウス(東京都港区高輪)
登壇者(敬称略)
  • ダノンウォーターズオブジャパン株式会社 代表取締役社長 リチャード・ホール
  • 財団法人日本ユニセフ協会 専務理事 早水 研
  • ユニセフ・マリ事務所 代表 マルセル・ルダシングワ
  • 慶応義塾大学 商学部 准教授 梅津光弘
  • 「1L for 10L」プログラム プログラムリーダー 吉沢 直大
    (キリンMCダノンウォーターズ株式会社)
言語 日本語・英語・フランス語(逐次通訳付)
贈呈先 ユニセフ(国際連合児童基金)
贈呈日 2008年11月13日(木)
寄付金使用用途
  • モプティ地方において手押しポンプ付の深井戸23基の建設
  • モプティ地方において40基の手押しポンプ付の深井戸の修理を含む持続可能な水源管理体制の整備
  • 手押しポンプのメンテナンスを確実に実施できる水と衛生に熟練した作業員の育成
  • コミュニティの水と衛生に関する活動の管理および住民への水と衛生に関する啓蒙活動を行うための自治体レベルの能力の強化

持続的な使用を実現させるために、ユニセフは井戸の建設や修理だけでなく、修理工や修理部品の確保、トレーニングを実施し、住民が主体となってメンテナンスを行います。

ページの先頭へ

プログラムスケジュール

第1部 贈呈式

09 : 30 - 09 : 35開会の挨拶

財団法人日本ユニセフ協会

09 : 35 - 09 : 452008年度寄付金授与

ダノンウォーターズオブジャパン株式会社
代表取締役社長 リチャード・ホール

財団法人日本ユニセフ協会
専務理事 早水 研

ユニセフ・マリ事務所
代表 マルセル・ルダシングワ

09 : 45 - 09 : 55「1L for 10L」プログラム最終結果報告と2009年プログラムの展開について

「1L for 10L」プログラム プログラムリーダー
吉沢 直大
(キリン MCダノンウォーターズ株式会社)

09 : 55 - 10 : 15子どもたちのための活動 ~「1L for 10L」プログラムの支援を受けて~

ユニセフ・マリ事務所
代表 マルセル・ルダシングワ

10 : 15 - 10 : 20質疑応答(5分休憩)

第2部 Volvic 「1L for 10L」プログラム「みんなのみず」お絵かきコンクール入賞作品発表

10 : 25 - 10 : 35お絵かきコンクールの概要説明

ダノンウォーターズオブジャパン株式会社
藤原 かおり

10 : 35 - 10 : 45入賞作品発表

ダノンウォーターズオブジャパン株式会社 藤原 かおり

10 : 45 - 10 : 55講評

マリ共和国 ギセ・マイムナ・ジャル大使閣下

10 : 55 - 11 : 00閉会の挨拶

ダノンウォーターズオブジャパン株式会社 藤原 かおり

(財)日本ユニセフ協会主催の報告会も開催されました。

「いのちと生活をうるおす水 清潔で安全な水がもたらすもの」
ページの先頭へ

プレスルーム


ページの先頭へ